人間が低血糖になると頭痛がしたりめまいや吐き気がしてくるので、横になったり食べ物を食べて血糖値を上げたりと自分で対処できますが、犬も猫もインスリン注射の後の体調の変化を訴えることができないので、インスリン注射の後は低血糖の症状が無いかインスリンが効いているか様子を良く見てあげることが大切です。
低血糖の症状
■軽度の低血糖症状は
・普段よりもごはんを欲しがるようになる
・普段よりも水を飲まなくなる
■更に血糖値が下がると
・もっとバクバク食べるようになる
・昼間でも瞳孔が開いてしまい目が真っ黒になる
・水を飲まなくなり、おしっこもしなくなる
■中度の低血糖症状は
・うなるような、ウヮーオ!というような変な鳴き声を上げる
・よく眠る
・かなりだるそうにしている
・ぼーっとしている
■重度の低血糖症状
・呼んでも鳴けなくなるなど反応しなくなる
・頭が上げられなくなる
・けいれんする
・昏睡状態になる
上記の症状が出ます。
対処方法
低血糖発作で怖いのが脳障害です。
低血糖時に、呼吸障害を併発した場合とブドウ糖などで一気に血糖値を上げた場合に脳障害が起こるとされています。
なので、
明らかに血糖値が下がりすぎていると判ったとしても、
ブドウ糖の投与はなるべく最後の手段として、できるだけフードを食べさせて徐々に上げていくのが理想です。
●低血糖対策用のフードは成分にブドウ糖が含まれているものを用意すると良いです。
うちではカルカンパウチを用意しています。
●ブドウ糖を投与する場合は
シリンジ(針の無い注射器)やスポイト等で飲ませるのではなく、指に付けて歯茎に塗り込むように与えてください。
低血糖を防ぐための対策
低血糖を防ぐためには
●ヒューマリンNやノボリンNなどの
短時間作用型のインスリンを使用すれば低血糖になってしまっている時間も短時間なので安全です。
また、開けたての新しいインスリンは効きが良いのでうちでは1単位減らしています。
●ペンタイプはNG!!
ランタスとレベミルは中身だけを出す病院と、ペンタイプで出す病院がありますが、ペンタイプは毎回±3単位も違う時があります。
ペンタイプで出された時には更に、血糖値が下がらなくなったり、低血糖を起こしてみたり大変でした。
そこで、ラップの上に出してみて、注射器で吸ってみると単位の違いに驚きました。
バネでゴムに振動を与えて噴射する仕組みの様で、ゴムが硬い時は少量、柔らかい時は多量に出ます。
これは、
人間には許容範囲だと書いてありますが、猫は1単位の違いで低血糖発作に至るので危険です。
動物のインスリン量は命に関わるので単位の正確さは重要です。
重度の低血糖を起こしたら、助かっても脳症を起こしている場合があります。
動物には絶対に、注射器で正確な単位を投与してください。
うちの猫も、
長時間作用型のレベミルのペンタイプに変えた時に低血糖発作を起こしました。
その時の様子は
うなり声を上げて、明らかにおかしかったのでとにかく食べさせましたが、
もうあまり食べる気力も無くなっていました。
ブドウ糖を与えるべきか考えながら何度も呼んで、
反応があるうちと、少量でも食べるうちは大丈夫だと思いましたが、ずっと様子を見ていてその日は夜の11時まで眠っていました。
食べられなくなり反応が無くなった場合は、ブドウ糖を歯茎に塗り込み、病院へ連絡して指示を仰いだほうが良いですが
急激な処置をしないほうが助かっている子が多いです。
この点でも、糖尿病に長けた獣医はまだ少ないので全て飼い主に掛かっています。
なので、低血糖になっても短時間でインスリンの作用が切れるインスリンを使う事はやはり大事です。