スタッドレスタイヤの寿命は短いです。ゴムの性質上、劣化が早いので溝があっても交換が必要になります。
スタッドレスタイヤの性質
低温時に発揮できるグリップ性能で凍結路面を掴んでいて、下駄のように深い溝で排水して走るので、マイナス20℃の路面温度でもゴムが硬化せずに、低温でグリップ力を保つようコンパウンド(接地面に使われているゴム)が柔らかく作られています。
展示品のスタッドレスタイヤの山を触っても爪でもぎ取れそうな柔らかさです。
そのくらい柔らかいゴムを使っている為に山も減りやすく、硬化が早くなります。
実際に、新品の購入から3シーズンを過ぎると、コンパウンド
がかなり硬くなりますから溝に関係なく3シーズンで交換するのが良いです。
ブレーキ性能
スタッドレスタイヤは高温や乾いた路面での走行で、トレッドが変形する為にブレーキの制動距離がノーマルタイヤ(夏用)よりも1.5倍も長いことがJAFの調べでわかっています。
・ノーマルタイヤは
時速50キロで走行中、ブレーキが効きだしてから車が止まれる距離は15メートル
・スタッドレスタイヤでは
冬の性能を発揮できる状態の時で22.5メートル必要です。
更に車が止まるまでには、危険を認知してアクセルを抜きブレーキを踏むまでの空走距離も
あるので止まるまでにはそれ以上の距離が必要でになります。
夏の使用や履きつぶし
夏でもスタッドレスの車を毎年見かけます。
寿命が短いからと履きつぶすのだと思うのですが
乾燥路面での性能を高めた製品以外での高速走行は危険がいっぱいです;
接地面が柔らかく作ってありウェットどころか、凍結路面にマッチして作られているので
高温時では
トレッド(接地面)のパターン(山の模様)が水圧で変形し水膜を切りにくくなり
ハイドロプレーニング現象が起きやすいです。
サイドウォール(タイヤ側面)も柔らかいですから
コーナー時に大きなロール(横に重力が掛かること)をして高速時は不安定になります。
夏にスタッドレスを履いていても違法では無いですが、グリップも悪くなり、制動距離が延びるという性質を良く理解した走行でなければとても危険で、
飛び出しなどの万が一の事態は止まり切れません。
衝突時の時速で生死を分けますが
衝突までに時速30キロに速度を落とせれば死亡率10%
時速50キロまでしか落とせなければ死亡率80%です。
やはり、履きつぶしもやめた方が良いですね。